花粉症じゃないです、アレルギーもないですと100回は言ってきた人生

以前書いたが私はプロ鼻炎(10年以上鼻炎に苦しむ者)である。ひどい状態(発作と呼んでいる)では鼻水が濁流の如く溢れ出し、大きなくしゃみは30秒に一回出る。マスクの下は一瞬で大洪水となり、どう節約してもティッシュは二日で一箱使い切ってしまう。やがて顔面が痛くなり日常生活もままならなくなる。口呼吸のため喉は乾燥し脳に酸素は行き届かず思考力は低下、体が動かず屍のように横たわり気絶するまでがセットだ。大袈裟に言っていると思われるかもしれないが、同じく鼻炎に苦しむ人には共感してもらえるだろう。

病院には同じ年月通い続けているが、飲み薬も点鼻薬も気休めにしかならず、根本的な解決には至っていない。レーザー治療も全く効果はなかった。医者からは鼻炎と死ぬまで付き合うだろうと言われている。こんな伴侶はいやだ。発作は気圧の変化や季節の変わり目に多い気がするが、これまで調子の良かった条件で起こることもあるため油断ならない。大切な予定のある日に鼻が爆発したらどうしよう、と怯える毎日である。どんな大切なことをする時も鼻の不調で集中力が九割削がれるので死活問題なのだ。現に何度も仕事に支障をきたしたし、もう飲食関係の職には就けないだろうと諦めている。

コロナ禍に突入してから生きづらさが格段にアップした。くしゃみをする度、鼻をすする度に罪悪感を感じ、人の目が気になる。ちなみに喘息も発症してからは「喘息です」と書かれたチャームをマスクにつけているが、よっぽど至近距離でないと見えないのでアピール力は低い。マスク全面にでかでかと「鼻炎です 殺さないで」と書くべきか未だに悩んでいる。そういえばコロナ禍当初はマスクや紙製品が品薄となったが、あの時もたいへん苦労した。手持ちのマスクが減るのにあわせて社会的な死が迫りくるのに恐怖した。安定して手に入るようになり心の底から安堵している。

これからも私はこの厄介な発作と共に生きることが確定しているため、もしもランプの魔人が現れたら「この世から鼻炎をなくしてくれ」と願うだろう。鼻炎に花粉症も含めてくれたらより多くの人を救えるなグフフと日々妄想している。

余談だが「モンテルカスト」を複数の看護師さんが「モンテカルスト」と言っているのを聞いて私もどっちが正解だったか迷うようになってしまった。薬の名前、ややこしいですね。